心を病んで

 私が教えている日本語学校の卒業生で現在大学2年生のHさんが精神病院に隔離された、と聞き、驚いてそこを尋ねました。ところがその病院の受け付けで「今日は面会できる状態ではありませんから」と面会を拒否され、「では、先生とお話しができますか」と聞くと「親御さんではありませんから」とまたもや拒否。
Hさんは中国人です。しかも大学の職員が何千人もいる学生の一人一人の面倒を親代わりに見ているわけではないでしょう。だったら、誰が中国にいる親の代わりをしてあげられるのでしょうか。彼女は大海に捨てられた棒きれのようなものではありませんか。
 「私は日本語学校の教師です。Hさんが日本に初めて来たときから1年半、ほとんど毎日顔を合わせていました。日本の中で私が一番『親代わり』にふさわしい!」と力説しましたが、けんもほろろ。
 帰り道日本語もそれほどに上手ではないHさんがかぎ付きの部屋に隔離され、知り合いにも会えず、どんなに心細くしているか、と思うと涙が止まりませんでした。
 その後、大学の関係者に電話を入れて様子を聞くと、数ヶ月前から様子がおかしかった、病院に入れられる前は錯乱状態で前後のことをあまり覚えていないらしい、ということでした。
 その人が入院手続きをするために、本人の保険証、学生証、ビザ、パスポートを探したけれど、そのどれも見つからずただ一つカバンに残っていたのは、私が勤めている日本語学校の学生証だったそうです。
その話を聞いて、また大泣きしました。日本語学校を卒業して大学に入り、一年半もたった今、心を病んで、全ての記憶があいまいになった状態のときでさえ、、、これだけは、、なくしてはいけない大切なものだと思ったのか、、、。耐えがたくつらい一日です。
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